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M&Aの現場(BLOG)

M&Aその後

半年程前、私が通っているスポーツクラブが他社に買収された。

その後、スポーツクラブの運営上、以下のような変化があった。

・月1度だった休館日が、月2回に増加。
・更衣室に日焼けマシンが設置。
・更衣室に健康食品の自販機が設置。
・空きスペースにエステが開業。
・入り口・内装が、おしゃれに改装。
・シャワー室のシャンプーが高級なものに変更。
・ルームランナーのイヤホンが使いやすいものに変更。
・ジムのトイレが靴を履いたまま入れるように変更。
・靴を履かずに移動できるスペースが増加。

休館日を増やすことで利益率を改善し、エステ・日焼けマシン・自販機の設置で客単価のアップを目指している。
同時に、利用者の利便性も向上させ、顧客満足度の引き上げにも余念がない。

M&Aにより、アイデアや資金力がある買い手に経営権が移ると、サービスも収益性も改善するという良い実例ではないかと思う。

M&Aの効用を実感しながら、ルームランナーで汗を流す今日この頃である。

籠谷智輝

14/Oct.2008 [Tue] 19:36

買い手にとってのデューデリジェンス

売り手はもちろんのこと、買い手にとっても、M&Aは初体験の場合が少なくない。
そのような場合には、デューデリジェンスの手続き・結果に、必要以上に振り回されてしまうケースもある。
デューデリジェンスは、M&A手続き上の重要な手続きの一つであるが、必要以上のコストをかけたり、時間を空費したりしては意味が無い。
そして、デューデリジェンスの成否は、デューデリジェンスの実施者の選択にかかっていると言っても過言ではない。
以下、デューデリジェンスの実施者を選ぶ際の注意点を列挙した。

まず、第一に、デューデリジェンス実施者としての経験に注意が必要である。
中小企業のデューデリジェンスに不慣れ(または、デューデリジェンス自体に不慣れ)な会計事務所・弁護士事務所を利用すると、無駄に膨大な資料を要求して売り手を疲弊させたり、M&Aの本質に影響しない瑣末な事項を逐一指摘して、買い手を混乱させたりすることがある。
会計事務所・弁護士事務所から提出された依頼資料リストを見ると、実施者のレベル感・経験度が分かるので、是非試して頂きたい。既に提出済みの資料が重複して載せてあるような、標準テンプレートそのままのリストを出してくるようであれば、注意が必要である。一方で、提出済みの資料を事前に読み込んだ上で、その会社・業界特有の資料を要求してくるような場合には、熟練したデューデリジェンスの実施者だと判断できる。

次に、スケジューリングの柔軟さである。
大手の監査法人や法律事務所に依頼すると、デューデリジェンスを依頼してから、実施されるまでに相当程度の時間を要する。これは入念な準備によりデューデリジェンスの精度を上げるための期間ではなく、単に人繰りの調整によるものであることが多い。
情報漏洩のリスクもあり、M&Aの手続きにおいて無為に時間が延びることには、なんのメリットもない。デューデリジェンス実施者サイドの事情で、手続きが遅延するのは避けたいところだ。
デューデリジェンスは、個人の資質・経験に負うところが大きく、大手事務所だからといって、質の高いデューデリジェンスを実施できるとは限らない、と個人的には考えている。
大規模案件やクロスボーダーの案件では無い限り、スケジュールに柔軟に対応できる小規模・中堅の会計事務所・弁護士事務所の利用が適当だと思う。

最後に、レポートの質である。
仕事柄、様々な会計事務所・弁護士事務所が作成したデューデリジェンスレポートを読むのだが、無駄な情報を差し込んでページ数を水増ししているようなレポートも少なくない。
デューデリジェンスのレポートで、買い手の経営陣が知りたいことは、M&Aを実施する上で何が問題となるのか、どのようなリスクがあるのか、ということである。売却対象企業の概要・沿革・経営陣の経歴といった、デューデリジェンスの段階で既知である一般情報を、デューデリジェンスの報告書に詳細に記載する必要性は皆無である。
また、法務デューデリジェンスの報告書によく見られるのだが、サマリーがなく、ひたすら報告内容を書き連ねているようなレポートがある。
重要な問題点、瑣末な発見事項、単なる実施内容報告が、並列に記載されていて、M&A上着目するべき重要なポイントが、膨大な数のページの中に埋もれてしまっているような報告書である。
レポートにサマリーを付けないというのは、デューデリジェンス以前に、ビジネスマナーの問題であるような気もするが、ともかく、そのようなレポートが出てきた場合は、断固作り直しを要求するべきである。
レポートの内容そのものの質を事前に判定することは難しい。ただし、デューデリジェンスの経験が豊富な事務所であれば、報告書の標準テンプレートを持っているはずである。そのテンプレートを事前に入手し、その報告様式が適正かどうかは、最低限チェックしておくべきだと思う。

買い手にとっては、デューデリジェンスは、M&Aの成否を左右する非常に重要な手続きであり、コストも安くない。そうであるならば、なおさら、デューデリジェンスの実施者選びには、慎重を期したいところである。

籠谷智輝

07/Oct.2008 [Tue] 19:17

ある案件のオーナー様

先週一つのM&A案件が無事にクローズした。

特に揉めるような大きな問題はなく、協議は滞りなく進んで最終契約に至ったような印象であるが、振り返ってみると、譲渡対象会社のオーナー様から最初に相談を受けた日から4ヶ月経っていた。

やはりM&Aは時間がかかると改めて感じた次第。

今回オーナー様とは何度もミーティングし、様々なお話しを伺う中で、その人格に触れ、多くのことを学ばせていただいた。

物腰柔らかい中にも毅然とした主張、経営に対する心構え、人生や人間関係に対する考え方、等々・・

ご高齢故、昨年社長を退任され、今年これで経営権も譲渡された。

今、時間がある時に「自分史」を書かれているという。

完成した暁には是非読ませて頂きたいものだ。

藤井

03/Oct.2008 [Fri] 19:15

M&Aにおける意思決定のスピード

M&Aアドバイザーをしている中で、興味深いのが、買い手となる会社の意思決定スピードに大きな差があることだ。
弊社は、買い手として上場企業を中心に広範なネットワークを有しているが、同じ上場企業であっても、M&Aに関する意思決定のスピードは、全く異なる。

創業社長が実権を握っている会社は、トップダウンの体制が敷かれているのだろう。
相対的に意思決定が早い。
しかし、創業社長の会社でなくとも、意思決定が早い大企業も多数存在する。

私の経験では、意思決定のスピードには、M&Aの窓口となる経営企画部等の担当者の意欲や能力も、大きく影響している気がする。
能力・意欲が高い担当者は、M&A案件について、次のステップに進むとしても、見送るにしても、主張・要求・質問が明確で、アドバイザーである弊社へのコンタクトも迅速だ。
一方で、担当者の能力が低いと感じるケースは、検討初期段階で、枝葉末節な質問を繰り返し、対応・回答も遅く、無為に時間が経過した結果、他の買い手と交渉が進んでしまうような場合である。
さらには、M&Aの案件紹介をすると、自分の仕事が増えることを嫌がるような態度を示す、意欲の低い経営企画部の担当者に当たり、大変残念な思いをすることもある。

優良なM&A案件は、当然、人気が集中するので、意思決定の遅れは、折角のチャンスをみすみす逃すことになる。

正確に統計を取ったわけではないが、M&Aについての意思決定が早い会社は、業績も好調であるような印象がある。
日常業務の全てについて、迅速な意思決定を行う体制・カルチャーが確立されているのだろう。

上場企業の90%が、重要な経営戦略としてM&A を積極的に検討しているという。
その戦略を支えるスピーディーな意思決定体制の構築が、ますます求められるのではないか。

籠谷智輝

29/Aug.2008 [Fri] 19:09

売り手にとってのデューデリジェンス

現在、私が担当している案件のうち2案件で、デューデリジェンスが同時進行している。

売り手の社長様は、デューデリジェンスを受けることは当然初めてなので、いろいろ不安となるようだ。

デューデリジェンスの日が近づいてくると、どんなことを問いただされるのか不安になり、
よく電話がかかってくるようになる。
デューデリジェンスでは、調査実施者の質問に対し、知っている限りにおいて誠実に回答してもらうだけで良い。警察の取調べではないので、ネチネチと尋問されたり、恫喝されたりすることはない。
また、財務的な数字に疎いことを心配される経営者もいらっしゃるが、即答できない財務的な質問については、別途経理担当者や顧問税理士に問い合わせて、後日回答すれば良いだけである。

また、デューデリジェンスを実施する会計事務所・弁護士事務所が提出してきた依頼資料のリストを見て、自社に存在しない資料の多さに萎縮してしまう社長もいらっしゃる。これも、存在しない資料を長時間かけて作成する必要はない。別の資料で代替できるケースが大半であるし、それがなければインタビューにおいて口頭で回答すれば良いのである。

弊社がM&A仲介するケースでは、デューデリジェンスよりも前の段階で、かなり詳細な資料を提出しており、個別質問事項にも明確に回答して頂いているので、デューデリジェンスは円滑に進むケースがほとんどである。

籠谷智輝

12/Aug.2008 [Tue] 19:12

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