M&Aの現場(BLOG)

意気投合

トップ面談では、トップ同士の性格や哲学がうまくかみ合うことが必須となる。

先日、素晴らしく意気投合したトップ会談があった。

M&Aに絡むトップ面談では、買い手・売り手の間には、どうしても緊張感が漂う。
普段、大変明るい売り手の社長も、少し固くなっているように見えた。
買い手の社長が、自社の紹介をした後、しばし世間話となった。
売り手の社長は、大変な愛妻家で奥様の写真を財布に入れて持ち歩いている、そんな話しをされた。すると、買い手の社長も、やはり奥様の写真を持ち歩いているとのこと。
この話で、お互いに一気に共感が深まったようで、緊張感が消え、和やかな雰囲気の中、面談は進んだ。

後日、買い手からは、前向きに検討を進めたいと依頼があり、現在、次のステップに進むため、追加資料の準備中である。

M&Aが失敗する要因の一つが、企業文化の対立だと言われている。
中小企業では、経営者のキャラクターがそのまま企業文化になっていることが多い。経営者同士が意気投合するかどうかは、M&Aの成否を左右する大変重要な要素だと思う。

籠谷智輝

01/Dec.2008 [Mon] 19:44

人気のM&A案件

先月末に、成約したある案件。
社長の技術力が高く、業績が非常に良い会社だった。
M&Aが活発な業界ではなかったが、アプローチ開始後すぐに、有力買い手候補が複数社現われる人気ぶりで、最終的に、条件面で最も希望に合致していた上場企業が買収することとなった。

細かい部分での紆余曲折はあったものの、全体的には、非常に順調に進んだM&A案件だったと言える。

M&Aがそれほど活発ではない業界においても、特徴がある会社は、十分M&Aの対象と成り得る、そのようなことを実感したM&Aであった。

社長は、今期末まで、顧問として引継ぎに従事する予定。
引継ぎ終了後にどうするか尋ねると、“気が抜けてしまうので、終わるまでは考えないようにする。今は、引継ぎに全力投球する。”とのこと。
このような真摯な姿勢が、引く手あまたとなるような会社を築き上げることができた要因だろう。
社長はまだ40代、まだまだお若い。
どのような第2の人生を選択されるのか、楽しみだ。

籠谷智輝

05/Nov.2008 [Wed] 19:41

M&A成約報告

先日、ある案件が最終クローズを迎えた。
最初に、ご相談頂いたのが、ちょうど1年前。
その際には、オーナー社長ご自身が、売却についてまだ迷いがあり、弊社へのご依頼には至らなかった。
再度ご相談頂いたのが、半年前だった。

その会社は、20ヶ月連続で売上が伸び続けている優良会社であったが、社長が、大手の傘下入りによる経営安定化を希望し、売却を決断された。

自社が好調な時に、売却を決断するのは本当に難しい。
好調な際には、自身の経営者としての能力を過信してしまう。
また、高い報酬を維持したいという欲も沸く。
この社長は、自身の経営者としての能力を客観的に分析し、会社が自分の能力を超えて成長したと判断し、また、自身の金銭的な利益より、従業員と顧客の利益を最優先に考え、大企業への売却を決断された。

大変優良な会社であったため、M&Aのプロセスは順調に進み、最終的に、上場企業による買収が決定した。
社長は、半年弱の引継ぎ期間を経て、来春に引退される予定だ。

この仕事を始めてつくづく思うことは、経営者の誠実性・謙虚さは、会社の業績に反映されるということだ。
この素晴らしい会社を作り上げた社長も、自身の能力を過信しない謙虚さと、従業員・顧客を第一に考える誠実さを兼ね備えた、本当に素晴らしい人柄をお持ちだった。
買い手である上場企業が、買収を決めた一因に、この社長の人柄があったことは間違いない。

社長とは、最初にご相談頂いてから、約1年のお付き合いになる。
無事、M&Aが成立し、アドバイザーとして、感無量である。
引退後は、農業をして過ごす予定とのこと。
きっと、実りある人生の第2ステージを過ごされると思う。

籠谷智輝

28/Oct.2008 [Tue] 19:39

M&Aその後

半年程前、私が通っているスポーツクラブが他社に買収された。

その後、スポーツクラブの運営上、以下のような変化があった。

・月1度だった休館日が、月2回に増加。
・更衣室に日焼けマシンが設置。
・更衣室に健康食品の自販機が設置。
・空きスペースにエステが開業。
・入り口・内装が、おしゃれに改装。
・シャワー室のシャンプーが高級なものに変更。
・ルームランナーのイヤホンが使いやすいものに変更。
・ジムのトイレが靴を履いたまま入れるように変更。
・靴を履かずに移動できるスペースが増加。

休館日を増やすことで利益率を改善し、エステ・日焼けマシン・自販機の設置で客単価のアップを目指している。
同時に、利用者の利便性も向上させ、顧客満足度の引き上げにも余念がない。

M&Aにより、アイデアや資金力がある買い手に経営権が移ると、サービスも収益性も改善するという良い実例ではないかと思う。

M&Aの効用を実感しながら、ルームランナーで汗を流す今日この頃である。

籠谷智輝

14/Oct.2008 [Tue] 19:36

買い手にとってのデューデリジェンス

売り手はもちろんのこと、買い手にとっても、M&Aは初体験の場合が少なくない。
そのような場合には、デューデリジェンスの手続き・結果に、必要以上に振り回されてしまうケースもある。
デューデリジェンスは、M&A手続き上の重要な手続きの一つであるが、必要以上のコストをかけたり、時間を空費したりしては意味が無い。
そして、デューデリジェンスの成否は、デューデリジェンスの実施者の選択にかかっていると言っても過言ではない。
以下、デューデリジェンスの実施者を選ぶ際の注意点を列挙した。

まず、第一に、デューデリジェンス実施者としての経験に注意が必要である。
中小企業のデューデリジェンスに不慣れ(または、デューデリジェンス自体に不慣れ)な会計事務所・弁護士事務所を利用すると、無駄に膨大な資料を要求して売り手を疲弊させたり、M&Aの本質に影響しない瑣末な事項を逐一指摘して、買い手を混乱させたりすることがある。
会計事務所・弁護士事務所から提出された依頼資料リストを見ると、実施者のレベル感・経験度が分かるので、是非試して頂きたい。既に提出済みの資料が重複して載せてあるような、標準テンプレートそのままのリストを出してくるようであれば、注意が必要である。一方で、提出済みの資料を事前に読み込んだ上で、その会社・業界特有の資料を要求してくるような場合には、熟練したデューデリジェンスの実施者だと判断できる。

次に、スケジューリングの柔軟さである。
大手の監査法人や法律事務所に依頼すると、デューデリジェンスを依頼してから、実施されるまでに相当程度の時間を要する。これは入念な準備によりデューデリジェンスの精度を上げるための期間ではなく、単に人繰りの調整によるものであることが多い。
情報漏洩のリスクもあり、M&Aの手続きにおいて無為に時間が延びることには、なんのメリットもない。デューデリジェンス実施者サイドの事情で、手続きが遅延するのは避けたいところだ。
デューデリジェンスは、個人の資質・経験に負うところが大きく、大手事務所だからといって、質の高いデューデリジェンスを実施できるとは限らない、と個人的には考えている。
大規模案件やクロスボーダーの案件では無い限り、スケジュールに柔軟に対応できる小規模・中堅の会計事務所・弁護士事務所の利用が適当だと思う。

最後に、レポートの質である。
仕事柄、様々な会計事務所・弁護士事務所が作成したデューデリジェンスレポートを読むのだが、無駄な情報を差し込んでページ数を水増ししているようなレポートも少なくない。
デューデリジェンスのレポートで、買い手の経営陣が知りたいことは、M&Aを実施する上で何が問題となるのか、どのようなリスクがあるのか、ということである。売却対象企業の概要・沿革・経営陣の経歴といった、デューデリジェンスの段階で既知である一般情報を、デューデリジェンスの報告書に詳細に記載する必要性は皆無である。
また、法務デューデリジェンスの報告書によく見られるのだが、サマリーがなく、ひたすら報告内容を書き連ねているようなレポートがある。
重要な問題点、瑣末な発見事項、単なる実施内容報告が、並列に記載されていて、M&A上着目するべき重要なポイントが、膨大な数のページの中に埋もれてしまっているような報告書である。
レポートにサマリーを付けないというのは、デューデリジェンス以前に、ビジネスマナーの問題であるような気もするが、ともかく、そのようなレポートが出てきた場合は、断固作り直しを要求するべきである。
レポートの内容そのものの質を事前に判定することは難しい。ただし、デューデリジェンスの経験が豊富な事務所であれば、報告書の標準テンプレートを持っているはずである。そのテンプレートを事前に入手し、その報告様式が適正かどうかは、最低限チェックしておくべきだと思う。

買い手にとっては、デューデリジェンスは、M&Aの成否を左右する非常に重要な手続きであり、コストも安くない。そうであるならば、なおさら、デューデリジェンスの実施者選びには、慎重を期したいところである。

籠谷智輝

07/Oct.2008 [Tue] 19:17

1  …  10  11  12  13  14  15  16  17  18  …  21
ページTOPへ

Copyright(C)Integroup Inc. All rights reserved.