調剤薬局のM&A
調剤薬局1店舗の譲渡が今週一つ成約しましたが、相変わらず調剤薬局買収ニーズは非常に強いと言えます。そして売却の相談もまた増えてきています。
譲渡対象の店舗は、隣接の医院からだけでなく、多くの医療機関から処方箋が来ている面対応の地域密着の薬局であり、財務内容も優良でした。そのため、調剤薬局チェーンの大手および中堅の買い手から、売り手の希望条件を上回るオファーがいくつも出てきました。
これまで調剤薬局業界は医薬分業により市場規模を拡大しておきてり、1店舗から数店舗の運営でも十分利益が出る事業でした。しかし、今後は以下の要因により、徐々に収益性が低下していくものと思われます。
調剤薬局の収益性低下の要因:
・薬剤師の不足、人件費増(これは薬学部6年生移行による一時的な現象か?)
・消費増税による収益圧迫(新たな制度が導入されても、収益圧迫は避けられない)
・薬価差益の低下(ジェネリック促進も一因)
・医薬分業の頭打ち(既に医薬分業は65%を超えている)
・ドラッグストアや他業種からの参入(コンビニや家電量販店とのコラボも)
・門前から面対応への移行(在庫の増加要因となる)・在宅調剤、施設調剤の対応(効率性の低下)
調剤薬局は全国でコンビニより多くありますが、いまだに調剤薬局チェーン上位10社合計でもシェアは10%にも満たず、まだまだ寡占化が進んでいません。現在大手チェーンを中心に処方箋獲得競争が繰り広げられており、今後3~5年の間に中小の淘汰、業界再編が進展するのは間違いありません。弊社としても多くの中小の調剤薬局のオーナーの売却を支援したいと思います。
藤井一郎
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06/Dec.2012 [Thu] 16:09