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M&Aの現場(BLOG)

3代目社長の決断

先日、ある会社の業務提携案件が成約いたしました。

この会社のA社長は、ある老舗企業の3代目です。
先代であるお父様の急死により、20代で社長を引き継がれて、厳しい環境の中、会社を切り盛りしてこられました。

A社長は、弊社にご相談頂いた当初、会社全体の売却を検討されていました。
売却理由は、将来的な業界見通しに対する不安でした。ただ、それに加え、20代で、ある意味不可抗力的に、会社を承継することになり、この家業がご自身の本当にやりたい仕事ではないのではないかという悩みも、売却理由の一つだと告白されていました。
このような悩みは、2代目、3代目の経営者の多くが経験されているのではないでしょうか。
特に、若くして、緊急事態の中で決断を迫られたA社長は、そのような思いをずっと引きずってこられたのではないかと思います。

しかし、いろいろな買い手候補とお話をする中で、ご自身の家業に対する思いを再確認され、また、業界の大先輩である、今回提携することとなった会社の社長から激励されたこともあり、会社全体の売却ではなく、部分的な資本提携の形で、A社長が経営を継続することが、ご自身にとっても、会社全体にとっても望ましいという結論を出されました。
このような結論を出す中で、上述の悩みを捨て去り、一生この業界でやっていくという覚悟を決められたようです。

また、この業務提携に至るプロセスの中で、長年の懸念事項であった株式の分散についても、弊社が間に入ることで円滑に整理することができ、資本関係も非常にすっきりとした安定性のある形になりました。
これは副産物のようなものですが、株主の当事者同士では長年解決できなかったことだったようで、A社長には大変喜んで頂きました。

今回の業務提携により、両社にとって、仕入先・販売先・商材が相互に拡大することになります。双方にとって、非常にメリットの大きいものになるでしょう。
ご相談頂いた当初の悩みからも解放され、前向きなA社長の表情を見るにつけ、お手伝いさせて頂いた私としても大変うれしく思っております。
A社長のますますのご活躍を心より祈念しております。

籠谷智輝

27/Oct.2010 [Wed] 21:01

外食

最近成約した案件は、今最も成約が難しいとも言われている外食事業だった。

不景気とデフレの中、不採算による撤退、それに伴う居抜きの外食店舗の売却が市場に溢れています。

そのような状況下で、いくら利益が出ている外食事業と言っても、特に同業による買収の場合、居抜き店舗と比較されてしまい、なかなか利益の数年分というような価値がつかず、条件が折り合いづらいのが外食事業のM&Aの現状です。

したがって、我社と同業のM&A仲介会社の中には今は外食の売却案件は受けないと言っているところもあります。

このような逆風の中でも、今回成約に至ったのは、以下の3つのポイントがあったからだと思います。
1.安定的に利益が出ていること
2.適性な売却価格
3.新規で外食事業を始める買い手だったこと

特に今回は3がポイントで、異業種からの参入の場合、ノウハウ、人材等の獲得に一定の価値がつくので、条件的には折り合いやすくなります。

言うは易し行うは難しで、異業種の買い手を探すのは簡単ではありませんが、逆にいうとそれが弊社のような会社の一番の付加価値でもあるので、今回のような良縁をこれからも作っていきたいと思います。

藤井一郎

27/Oct.2010 [Wed] 20:59

最年少記録

昨日成約した案件は、売り手の社長と買い手の社長がいずれも大変若く、両社長の合計年齢が、弊社歴代案件の中で、最年少であった。

若いとはいえ、両社長とも、学生時代からビジネスを開始しており、社長経験は、同年代のサラリーマンとは比べもにならないくらい豊富である。
しっかりとしたビジネスモデルを構築し、優秀な人材を束ねる人間的魅力も兼ねそろえており、経営者としての能力は非常に高い。
売り手の社長は、引き継ぎ後は、アメリカでビジネスに挑戦するとのこと。
素晴らしいチャレンジスピリッツだ。

昨今、若者の草食化、安定志向が指摘されるが、両社長のような若くてやる気のある青年社長も多く存在する。

最年少案件の成約に、日本の閉塞感打破へのヒントを垣間見た気がした。

籠谷智輝

26/Aug.2010 [Thu] 20:57

中小企業の問題・課題

思いつくままに、いくつか述べてみたいと思います。

・設備過剰
最近製造業 で売却の相談を頂く会社のほとんどが設備過剰に陥っている。過去に作った工場の稼働率が低い。借入金も結構残っている。

リストラをして、且つ直近は若干売上が待ち直して来てはいるが、損益分岐点に達していないか、とんとんレベル。

中国等の新興国に仕事を奪われており、大幅に回復する見込みが立たない。

・将来展望が描けない
また本格的な人口減少時代に入り、ほとんどの市場が縮小かよくて横ばいの中、将来展望が描けない。

リーマンショック以降、社内に息子さんがいるにも関わらず、息子には継がせられないと言って、第三者に売却を希望するケースが増えている。

・内部留保が少なすぎる(自己資本比率が低い)
日本は先進国の中でトップの法人税率ということもあり、経営者は会社に利益を残すくらいなら役員報酬でとりたいと考えている。

それで、毎年、役員報酬(年間一定にしなければならない)をいくらに設定すれば、利益を出さないで済むかということに頭を使っている。

その結果、内部留保が薄い(自己資本比率が低い)会社が多く、ひとたび売上が下がり赤字になれば、すぐ債務超過、倒産危機ということになりがち。法人税率を他の先進国並みに下げて、個人所得の累進課税を強くして、経営者に会社にお金を残すようなインセンティブを与えた方が良いと思う。

(一部与党内に、内部留保するくらいなら従業員への給与を厚くせよとして、内部留保課税の強化を主張している向きがいるのは極めて遺憾で本末転倒。内部留保を薄くすると会社の倒産リスクが高まり、従業員の失業リスクが高まる。)

・経営者の会計知識不足
売上、借入金額、自分の役員報酬額は皆さんご存知ですが、驚くべきことに、自社の利益、純資産額等も知らず、決算内容をよく理解していない経営者が非常に多い。

顧問税理士に任せっきり、言いなりになっているケースが多い。

例外はもちろんありますが、経営者の会計知識と業績は相関関係があるように思う。

・労働市場におけるリスク・リターンが不釣り合い
これは必ずしも中小企業の問題ではなく、日本の労働市場全体の問題ですが、本来ファイナンスの世界では、リスクとリターンが釣り合うことが前提で、ハイリスク・ハイリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターンとなるべきところ、日本の大企業(外資ではなく日系企業)のサラリーマン(正社員)は、権利が過剰に保護されており、ローリスク・ミドルリターンとなっている。

起業家がハイリスク・ハイリターンなのはいいとして、大企業のサラリーマンがローリスク・ミドルリターン、派遣社員(非正規社員)がミドルリスク・ローリターンとなるネジレ現象が起きている。

その為、本来なら、起業家となって、ベンチャー企業でイノベーションや創造性をもっと発揮することができる人材が、一見おいしい大企業のサラリーマンに留まり、仕事がつまらなくて悶々としている。

従って、大企業のサラリーマンの権利を薄くし(例えば、解雇条件の緩和)、非正規社員の権利をもっと厚く(例えば、同一労働・同一賃金)して、労働市場のリスクとリターンが釣り合うようになれば、大企業からベンチャー企業(成長を目指す中小企業がベンチャー企業)に人材が流れ、中小企業、ひいては日本経済全体の活性化につながると思う。

敢えて問題点を上げていますが、もちろん優秀な中小企業からもよくご相談を頂いています。
途中から意見表明のようになってしまい恐縮です。

藤井一郎

14/May.2010 [Fri] 20:48

多忙な社長

M&Aの仕事をする中で、なかなかスケジュールが空かない多忙な社長に時々出会う。
多忙な社長には、実は、ご高齢の社長が多い。

多忙の理由は、概ね以下のとおりと推察される。
①持病があり、週のかなりの時間を病院通いに当てている。
②言葉が怪しくなり、しゃべるスピードが落ちてきているため、社内会議が長時間化している。
③社内のあらゆる業務に首を突っ込んでいる。

3つの内のどれであっても、経営者としての適格性には、少々疑問が生じる状況だ。
特に②と③については、社員も苦労しているだろう。③が悪化すると、営業責任者を降格にして社長が営業部長を兼任してしまうという『逆権限委譲』まで、生じていることもある。
さらに、問題が深刻なのは、社長自身は自分が忙しいことを社員の能力のせいだと思いこんでおり、また、ワンマンであるため、周りにそれを指摘できる人間が誰もいないことである。

当然の帰結として、このような社長の会社は、業績低調である。
「貧乏暇なし」という言葉がある。
「貧乏で生活に追われて、時間がない」ということだが、社長はその因果関係を逆に考える必要があるかもしれない。

籠谷智輝

30/Mar.2010 [Tue] 20:45

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