会社分割は、事業譲渡と比較し、以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
・現金の準備が不要
・資産・契約等の引継ぎが簡便
・利益準備金・剰余金の引継ぎが可能
【デメリット】
不要な資産、偶発債務、簿外債務を引継ぐ可能性
【メリット】
一定の要件を満たせば、資産の含み益に課税されない
【デメリット】
・税務上の取り扱いが煩雑
・買い手が非上場の場合、入手した株式の現金化が困難
会社分割の手続は、「新設分割」と「吸収分割」の2種類に分けられます。それぞれの手続の流れは以下のとおりです。
【新設分割】
①分割会社(事業を譲渡する会社)の取締役会の決議
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②分割計画書の作成
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③分割計画書等の事前開示
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④分割会社の株主総会の特別決議による承認
(簡易組織再編*1、略式組織再編*2に該当しない場合)
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⑤反対株主の株式買取請求
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⑥債権者保護手続き*3
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⑦分割に関する事項を記載した書面の事後開示
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⑧新設会社(新設する会社)にて設立登記、分割会社にて変更登記
【吸収分割】
①分割会社(事業を譲渡する会社)と承継会社(事業を引き継ぐ会社)が条件につき基本合意
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②分割会社・承継会社双方の取締役会の承認
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③分割契約の締結
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④分割契約書等の事前開示
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⑤分割会社の株主総会の特別決議による承認
(簡易組織再編*1、略式組織再編*2に該当しない場合)
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⑥反対株主の株式買取請求
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⑦債権者保護手続き*3
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⑧分割に関する事項を記載した書面の事後開示
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⑨分割会社・承継会社双方にて変更登記
*1 簡易組織再編
分割により移転する資産の帳簿価額が分割会社の最終の貸借対照表の総資産の20%以下の場合には、新設分割・吸収分割の分割会社において、株主総会決議を省略することができます。(会社法784条3項)
吸収分割の場合、承継会社が交付する分割の対価の帳簿価額が承継会社の純資産の20%以下の場合には、吸収分割の承継会社において株主総会決議を省略することができます。(会社法796条3項)
ただし、株式分割により差損が生じるような場合や、非公開会社(譲渡制限会社)が対価の一部又は全部として譲渡制限株式を交付する場合には、株主総会の決議を省略できません。(796条但書)
*2 略式組織再編
吸収分割において承継会社が分割会社の90%以上の議決権を保有している場合(株式特別支配会社の場合)、吸収分割の分割会社において、株主総会決議を省略することができます。(会社法784条1項, 796条1項、468条1項)
ただし、分割の対価の全部または一部が譲渡制限株式であり、分割会社が公開会社でありかつ種類株式発行会社でない場合は、株主総会決議を省略することはできません。(784条1項但書)
*3 債権者保護手続
会社分割の場合、原則として、分割会社と承継会社の双方において、債権者保護手続きが必要となります。ただし、承継会社の株式が分割会社に交付される物的分割の場合には、分割後も分割会社に対して債務の弁済を請求できる債権者については、保護手続きをする必要はありません。(会社法798条1項、810条1 項)
会社分割は、税務上定められた要件を満たすか否かにより、税制適格分割と税制非適格分割に分類されます。
税制適格分割は、税制非適格分割に比し、以下の税務上のメリットがあります。
| 分割会社 | 【税制適格分割の場合】
◯資産の移転損益は発生しない
【税制非適格分割】
△資産の移転損益が発生する |
| 承継会社 | 【税制適格分割の場合】
◯資産は分割会社の簿価で引継ぎ
◯一定の引当金の引継ぎ *1
◯一定の繰越欠損金の引継ぎ可 *2
【税制非適格分割】
△資産は時価で引継ぎ
△引当金の引継ぎは不可
△繰越欠損金の引継ぎは不可
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*1 引当金の引継ぎ
分割対象事業に関連する引当金については、引継ぐこととされている。分割対象事業に関係しない引当金については、承継会社において新たに計上する必要がある。
*2 繰越欠損金の引継ぎ
分割においては、欠損金の引継ぎは、消滅分割の場合にのみ認められる。消滅分割とは、承継会社が全事業を承継し、分割会社は消滅する会社分割をいう。
消滅分割の場合であって、以下の要件を満たすときは、分割会社の繰越欠損金を全額引き継ぐことができる。以下の要件を満たさない場合には、グループ化後に生じた繰越欠損金だけが利用可能となり、グループ化以前に生じた繰越欠損金や、グループ化以前から有していた資産のグループ化後の譲渡による損失によって生じた繰越欠損金は利用できない。
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