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リサイクル技研株式会社

創業9年で業績右肩上がりの建築資材会社を売却 オーナー社長がM&Aを選んだワケ

譲渡企業譲受企業
リサイクル技研(株)(株)アメニティサービス
東京都東京都
空調資材販売・工事空調機器洗浄
スキーム 株式譲渡

40代で起業した建築資材会社「リサイクル技研」を2009年にM&Aによって売却した元オーナー社長の長倉新太郎さん(61)。会社は、創業以来ずっと右肩上がりの好業績を続けていました。「あえて業績好調なときに売った」といいますが、その判断の背景には何があったのか、ご本人に伺いました。

 

起業のきっかけは建設業界の不況

 2000年に立ち上げた「リサイクル技研」は、どのようなきっかけで創業したのですか。

私は、首都圏の私立大学を卒業して都内の建築関係の会社に入り、その後20年間、建築資材の営業畑ひと筋でがんばってきました。給料は高いほうではありませんでしたが、やりがいを感じていましたし、営業成績もいいほうだったと思いますよ。

転機は私が43歳の時にやってきました。建設業界の不況で会社の業績が傾き、社内の体制が大きく変わったことで、自分が理想とする仕事のやり方がなかなか通らない環境になってしまったんですね。このまま居続けてもやりがいは見いだせないと感じて、思い切って会社を辞めて起業することにしました。

もともと、いつかは起業したいという考えがあってプランを温めていたのですか?

いえ、そんな格好いいものではなく、やはり会社の業績悪化がきっかけですからね。むしろ当時は、勢い込んで退社したもののプランも何もない状況で……。気がつけば、自分には建築資材を売る能力しかないので、それならばこの仕事で食べていくしかないと「リサイクル技研」を立ち上げました。

それでも業績は創業以来、右肩上がりでした。

リサイクル技研で始めたのは、大手企業のビル新築工事などで必要となる空調設備資材を販売する事業でした。ここでは20年間、営業マンひと筋で培ったノウハウが思った以上に役立ちましたね。もちろん苦労もたくさんしましたが、経営は予想より早く軌道に乗りました。業績は順調に伸び、その後、資材販売だけではなく工事も一体で請け負うようになって、さらにその工事の施工管理を担当する、いわゆる「現場監督」を派遣する人材派遣会社も立ち上げました。

こうして販売・工事・人材派遣の3本柱を軸に、創業以来9年続けて増収増益を達成したのです。2008年3月期には売上高が初めて5億円を突破し、従業員は全体で30人を超えました。

 

膨らむ銀行借り入れの個人保証に不安

そんな好業績のなか、なぜM&Aを思い立ったのですか?

M&Aを考え始めたのは、起業から5年ほどたったころでした。もちろん、いくつかの要因がありますが、具体的にいちばん大きかったのが、銀行に対する個人保証への不安ですね。

これは会社経営者ならば誰もがわかる感覚だと思いますが、会社の業績が拡大すれば、それに応じて仕入れも増えるので、結果として銀行からの借り入れ額が膨らんで、自分がオーナー社長として背負っている個人保証への不安が大きくなっていくのです。

実際は、建設不況といわれるのなかでも順調に業績を上げてきたので、会社の状況に不安はありませんでした。ただ、一方で、もしも自分の力ではどうにもならない外的要因などで会社が立ち行かなくなったら、立ちどころに返済が困難になる可能性があります。あるいは、私がいつ病気や事故で仕事ができなくなるかもわかりません。ならば、業績が好調な時に会社を売ってしまったほうが、メリットがあるのではないかと思うようになりました。売却額も高くなるはずですから。株式上場も検討してはいたのですが、ものすごく手間も時間も経費もかかるので、結局はメリットが少ないという結論に達しました。

そしてもう一つ、売却した大きな理由となったのは、50歳になって仕事人としての人生を振り返ったとき、建築関係の仕事しか知らない自分に気がついたのです。人生は1回きりですよね。そう考えた時、残りの人生で何か違うことをやってみたい、そのために早く会社を手放したい、という思いが強くなったのです。

社長を退任して別の役員に引き継ぐ、あるいは息子さんに継がせようとは考えなかったのですか。

たとえば、別の役員に会社を譲ったとしても、その人と私の2人で個人保証を背負う形に変わるだけで、不安は消えないのです。息子に継がせる選択肢も、まったくありませんでした。息子には息子の人生があります。それに当時は大学生で、建設業界のこともなにも知らないまったくの素人。下積み生活もロクにせずに、職人たちを相手にするこの会社をうまく回せるわけがありません。知人の会社も、家族に継がせて失敗した例をたくさん見てきましたしね。

こうした個人保証への不安や、早く別の道に進みたいという自分の願望を、スピード感をもって解決してくれる手段はM&Aしかない。その点にメリットを感じて決意しました。

 

大手の仲介会社で大失敗

実際にM&Aの交渉はスムーズに進んだのですか?

M&Aを思い立ったころ、インターネットで見つけたM&A仲介会社にお願いしたことがありました。大手だからきっとすぐに成果を出してくれるだろうと期待していたのですが、結果的にはとても嫌な思いをしました。当初、着手金100万円を要求されたのを値切って50万円で契約したんですが、その後、うんともすんとも話が進まない。

そもそも、最初に会った担当者からして、その対応に驚かされました。リサイクル技研が扱う資材はボルトやナットなど小さな部品も多いのですが、彼は「こんなものまで売っているんですか。大変ですね」と平然と言うのです。もちろん、悪気はないでしょう。しかし、リサイクル技研の取引先は大半が東証一部上場企業で、品質にも厳しい目を持っています。そこに納める商品ですから、大きいも小さいも関係なく、私は責任感とプライドをもって仕事をしていました。この仲介会社は、果たして経営者の思いをしっかり理解できるのか、と不信感を抱きました。

その後も、売却先として可能性のありそうな会社を提示して私に意見を求めてくるのですが、結果報告がないまま、また3カ月ほどで別の会社を提示してくる。本当に交渉をどこまでしているのか分からず、まさにブラックボックスでしたね。

それは不信感が募りますね。

1年後、リサイクル技研の業績がさらに上がったのを受けて、「この数字なら成約の可能性が出てきそうなので、これから頑張らせていただきます」と、追加で50万円を請求してきました。成果もなにも出ていないのにおかしいですよね。業績を見て初めから可能性が低いと分かっていたのなら、なぜ最初の着手金を要求したのか。私が問いただすと、はっきりした説明をせず、仕舞いには「社長さんがうさんくさい人間に見えるから(売却先に)信頼を得られないんです」などと言い出しました。私の資質が問題だというのなら、なおのこと着手金はいったい何のためのお金だったのか。この時点でもはや信頼感は完全に崩壊し、見切りをつけました。

それで仲介会社を変えたのですね。

インテグループもインターネットで見つけました。今度は厳しい目で仲介会社を判断しようと思っていましたが、杞憂でしたね。

インテグループの担当者は、リサイクル技研の強い点、弱い点を素早く的確に把握して、さらに経営者に対する理解度が高いと感じました。これならば、スピード感をもって対処してくれるだろうと、すぐにお願いしようと決断しました。

期待通り、成果は早かったですね。3カ月ほどで交渉に前向きな会社がいくつか出てきて、最終的に3つの会社を並行して交渉にあたってくれたのですが、思った以上に早く話がまとまり、リサイクル技研より規模の大きいエアコンの洗浄業務の会社に売却が決まりました。交渉の内容もクリアだったので、最初から最後まで安心感があったのも以前の仲介会社との違いでした。

リサイクル技研の主軸は、新築物件への業務請け負いなので、工事が終わってしまうとその後は仕事がありません。一方で、売却先は建築後の仕事で利益を出す会社です。お互いの弱点を補完しあって強みに変える、理想的な結果でした。売却額も満足のいく数字でした。

 

M&Aで幸せ度が「上がった」

会社を売却して8年になりますが、その後の生活はいかがですか。

実はリサイクル技研を売却後、その経験から、コンサルティングやM&A仲介をするクレメンティアサービスという会社を立ち上げました。私は事業会社の社長でしたから経営者の気持ちを理解できますし、売却を検討している時の心理もわかります。売りたいと思ったり、売るのを辞めようと思ったり、精神的に揺れている人が多いんですね。

あの時、M&Aを決断してよかったと心から思います。まったく違う世界の仕事ができて、刺激的な毎日で、幸せ度が「上がった」という表現で言い足りないくらいです。実は、今度はまったく違う業種にも挑戦しようと準備を進めています。

自分が育て上げたリサイクル技研に対して、現在はどのような思いを抱いていますか?

当時、リサイクル技研の従業員には秘密でM&Aの交渉を進めていました。変化を好まない人もいるでしょうし、過度に不安を感じる人もいるだろうと思ったのが理由です。ただ、理由が何にせよ、彼らから見ればある日突然の売却だったので、当時は心のどこかで申し訳ないと思う気持ちもありました。

しかし、結果的に私より資金力のある会社に買っていただいたことで業績もよくなり、グループとしても大きくなりました。その後に辞めた従業員は1人もおらず、選択は正しかったと実感しています。

いまM&Aを検討している経営者たちに、どのようなアドバイスを送りたいですか。

仲介会社にお願いする場合、注視してほしいのは、担当者が売り手と買い手の強い部分、弱い部分を的確に理解できるかどうかです。1+1=2ではなく、プラスアルファを生み出して「3」にする、その構図を描いて交渉にあたることができるかどうか。そのうえで、交渉の状況をクリアに説明し、安心感を抱かせてくれる会社が理想的だと考えています。

売却に悩んでいる方がいたら、相談に応じたいと思っています。