M&Aの現場(BLOG)

震災後について

大地震発生からちょうど一週間が経ちました。

私の周りでも多くの人が、救援活動をはじめたり、何か自分達でできることがあるのではとさかんに議論(又はソーシャルメディア上でつぶやき)をしたりしています。

その思いはすばらしいし、実際に行動している人はなお称賛されるべきだとは思いますが、一経済人あるいは商人として、私は個人的には以下のように考えます。

1.以下の二つの理由から「寄付」がもっとも良い。(財政悪化の避止にも良いし。)
(1)自ら救援活動に参加するよりも専門家に任せた方が効率的と考える。
(2)被災地の特定の人や地域を救援したいということがない。

日本の経済人の代表格であるファーストリテイリングの柳井氏が個人で10億円の寄付、また会社としても種々の寄付を表明したのは、まさに経済人としての模範と思います。

また、
2.可能な限り経済活動を停滞させてはならない。そのためには、
(1)各人が目の前の仕事を一生懸命にやる。
(2)自粛ムードにならないで、外食、飲み会、旅行、娯楽等をやめない。

経済が停滞しては、被災地にとっても何もいいことはありません。
ボランティアをするにしても、寄付をするにしても、人間余裕がないとできません。

そのためには、自らしっかり仕事をして稼ぐ、自分の持ち場の仕事を停滞させない、外食、観光、エンタメ等の業界で生計を立てている人もいっぱいいるのだから、そういう分野の会社が倒産、失業率上昇、更なる不況とならないためにも、各人が消費をやめないことが重要と思います。

藤井一郎

18/Mar.2011 [Fri] 21:11

中小企業の問題・課題

思いつくままに、いくつか述べてみたいと思います。

・設備過剰
最近製造業 で売却の相談を頂く会社のほとんどが設備過剰に陥っている。過去に作った工場の稼働率が低い。借入金も結構残っている。

リストラをして、且つ直近は若干売上が待ち直して来てはいるが、損益分岐点に達していないか、とんとんレベル。

中国等の新興国に仕事を奪われており、大幅に回復する見込みが立たない。

・将来展望が描けない
また本格的な人口減少時代に入り、ほとんどの市場が縮小かよくて横ばいの中、将来展望が描けない。

リーマンショック以降、社内に息子さんがいるにも関わらず、息子には継がせられないと言って、第三者に売却を希望するケースが増えている。

・内部留保が少なすぎる(自己資本比率が低い)
日本は先進国の中でトップの法人税率ということもあり、経営者は会社に利益を残すくらいなら役員報酬でとりたいと考えている。

それで、毎年、役員報酬(年間一定にしなければならない)をいくらに設定すれば、利益を出さないで済むかということに頭を使っている。

その結果、内部留保が薄い(自己資本比率が低い)会社が多く、ひとたび売上が下がり赤字になれば、すぐ債務超過、倒産危機ということになりがち。法人税率を他の先進国並みに下げて、個人所得の累進課税を強くして、経営者に会社にお金を残すようなインセンティブを与えた方が良いと思う。

(一部与党内に、内部留保するくらいなら従業員への給与を厚くせよとして、内部留保課税の強化を主張している向きがいるのは極めて遺憾で本末転倒。内部留保を薄くすると会社の倒産リスクが高まり、従業員の失業リスクが高まる。)

・経営者の会計知識不足
売上、借入金額、自分の役員報酬額は皆さんご存知ですが、驚くべきことに、自社の利益、純資産額等も知らず、決算内容をよく理解していない経営者が非常に多い。

顧問税理士に任せっきり、言いなりになっているケースが多い。

例外はもちろんありますが、経営者の会計知識と業績は相関関係があるように思う。

・労働市場におけるリスク・リターンが不釣り合い
これは必ずしも中小企業の問題ではなく、日本の労働市場全体の問題ですが、本来ファイナンスの世界では、リスクとリターンが釣り合うことが前提で、ハイリスク・ハイリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターンとなるべきところ、日本の大企業(外資ではなく日系企業)のサラリーマン(正社員)は、権利が過剰に保護されており、ローリスク・ミドルリターンとなっている。

起業家がハイリスク・ハイリターンなのはいいとして、大企業のサラリーマンがローリスク・ミドルリターン、派遣社員(非正規社員)がミドルリスク・ローリターンとなるネジレ現象が起きている。

その為、本来なら、起業家となって、ベンチャー企業でイノベーションや創造性をもっと発揮することができる人材が、一見おいしい大企業のサラリーマンに留まり、仕事がつまらなくて悶々としている。

従って、大企業のサラリーマンの権利を薄くし(例えば、解雇条件の緩和)、非正規社員の権利をもっと厚く(例えば、同一労働・同一賃金)して、労働市場のリスクとリターンが釣り合うようになれば、大企業からベンチャー企業(成長を目指す中小企業がベンチャー企業)に人材が流れ、中小企業、ひいては日本経済全体の活性化につながると思う。

敢えて問題点を上げていますが、もちろん優秀な中小企業からもよくご相談を頂いています。
途中から意見表明のようになってしまい恐縮です。

藤井一郎

14/May.2010 [Fri] 20:48

万感の思い

先週クローズした案件の調印式で、売り手のオーナー社長が最後挨拶されるときに、感極まって涙を流された。

いつも忙しそうにされており、たんたんと交渉されて来た方だったので、声がつまって涙を流された時は正直驚いた。

元々はオーナー社長からリタイヤしたいとのことで売却相談を受け、ほぼ希望通りの条件での譲渡だったため、決して悔し涙ではない。かと言って嬉し涙でもない。

先代社長から会社を引き継ぎ、長年休日も関係なく朝から晩まで働いてこられた、その万感の思いが詰まった涙だった。

M&Aによる事業承継において、最良のご縁を作るという責任感を改めて感じた。

藤井一郎

28/Jan.2010 [Thu] 20:34

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

昨年一年を振り返ると、一昨年秋のリーマン・ショックから続いた昨年はまさに不況の年でした。

M&Aの世界でも、不景気の影響は避けられず、売却案件は非常に多かったものの、買い手が慎重になり、交渉期間が長引いたり、条件が売り手と合わず、また買収資金の調達ができなかったりで、スムーズに成約に至らないケースが多い年でした。そのような状況の中、同業他社では規模縮小を迫られたところも多かったようです。

しかしながら、弊社としては引き続き年間数百件のご相談を頂き、(様々な制約の下、全てのご相談にお応えすることはできませんでしたが)戦略的且つ粘り強くご対応させて頂き、お陰様で弊社としては過去最高の成約件数、売上を達成することができました。

今年も日本経済は消費低迷が続くと思われ、デフレスパイラル、二番底も懸念されますが、M&Aに関しては、団塊世代のオーナー経営者リタイヤによる事業承継案件も引き続き多いと思われ、また上場企業等でもこの不景気で従来の事業だけでは売上・利益を成長させられないことがはっきりと分かった会社が多く、第二、第三の事業の柱を作るべく、経営資源の再配分によるM&A(買収及び売却)が積極的に検討される年になると思います。

いずれにしても、我々としては、これまで以上に、ご相談に対して真摯に対応し、M&Aを通じて優良企業の存続・発展、経済全体における資源の最適配分に貢献して行きたいと存じます。

今年2月には業容拡大の為、同じ丸の内ですが新しいオフィスに移転することになりました。

本年も何とぞ宜しくお願い申し上げます。

藤井一郎

03/Jan.2010 [Sun] 20:31

「会計社長」と「丸投げ社長」

日々、様々な中小企業の社長と決算書にお目にかかる。

社長と決算書について、何らかの関係性を見出すとすれば、「会計を理解している社長の会社は、業績・財務内容が良い」ということだろう。

会計ということに関し、中小企業の社長は、2種類に大別されると思う。
自社の会計状況をしっかりと把握している「会計社長」と、税理士に任せきりの「丸投げ社長」だ。

「会計社長」はコスト管理に非常に敏感であるから、会社の経費は抑えられており、利益率が高い。また、売上よりも、利益を重視しており、無理な売上成長は狙わない。また、借入にも慎重で、過大な設備投資は行わない。また、月次決算を重視しており、会計数値の異常を適時にキャッチする。今回の金融危機のような売上が急減する局面では、固定費削減に早々に着手するなど、対応が敏速だ。

一方、「丸投げ社長」は、売上(営業成績)のみに注意を払っている。月次の売上が、目標を達成したかどうかには敏感だが、コストや利益については注意散漫となる。売上を伸ばすことに注力するあまり、利益や資金繰りが付いてきていないことに関心を払わない。過大投資により借金過多に陥っているケースも少なくない。月次決算に疎く、今回の金融危機時でも、支払が滞るようになってから、慌てはじめる。

「丸投げ社長」の会社でも、優秀な顧問税理士が付いていれば、なんとかなる。分析資料の提供や財務的なアドバイスをしている優良な税理士も多く存在する。問題は、顧問税理士のレベルが低い場合だ。単に、顧問先の状況には目もくれず、会計データの入力と税務申告書の作成のみを、淡々とこなしているような事務所も少なくない。ひどいケースでは、経理を外注している会計事務所の都合で、月次の決算が2カ月後にならないと出せないという会社があった。これでは、事業環境の変化に、到底対応できないだろう。

会計が、ビジネスマンの必須のスキルとして認知されつつある昨今だが、中小企業の社長ほど、会計を勉強する効果が絶大な職業はないと思う。

籠谷智輝

18/Jun.2009 [Thu] 20:11

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