無料相談ダイヤル
秘密厳守いたします。
受付:24時間対応(年中無休)

ファンドへの譲渡

最近成約した案件は、食品小売の会社のオーナー社長が投資会社に全株式を譲渡したというもの。
これまで出店は順調に推移してきたものの、借入金負担が大きくなってきていましたが、今後は投資会社の資金支援のもとで出店を加速していく予定です。

弊社がこれまで譲渡のご支援をさせて頂いた案件は、多かれ少なかれシナジーがある事業会社への売却が大部分ですが、最近はファンド、投資会社への譲渡が少しずつ増えています。
ファンドへの譲渡について、売り手の抵抗感が徐々に薄れてきているようです。

ハゲタカと言われるような、経営危機に陥っている会社に好んで投資し、リストラして企業再生をはかるファンドは極一部です。
未上場企業に投資するプライベート・エクイティ・ファンドのほんとんどは、成長性と安定性がある優良企業を相応の対価で買収しています。

あらためて、これまで売り手が、事業会社ではなくあえてファンドに譲渡した理由を纏めると以下のようになると思います:
・後継の経営陣が一部出資し(MBO)、上場を目指すため。(ストックオプションも柔軟に付与できる。)
・事業会社、ファンドに関わらず条件重視で相手先を探し、ファンドが一番よい条件を提示したため。
・企業文化、ビジネスモデルや人員体制をそのまま維持したいため。
・同業の会社に譲渡の話は絶対にしたくないため。
・ファンドの方が事業会社より意思決定がはやいため。

ファンドによる買収が増えているといっても、日本のプライベート・エクイティ・ファンドによる投資額は米国の20~40分の1程度と言われており、まだまだ未成熟ですし、その分成長する余地は大きいとも言えます。

現在、日本ではファンドの資金調達は順調のようで、どこのファンドも投資余力があり、血眼になって優良企業を探しており、ファンドから良い条件が出やすい環境です。
弊社は国内の投資ファンドのほとんどとコンタクトを持っており、最近はしょっちゅうファンドから連絡があります。

しかし、まだ売り手がファンドへ譲渡したいという意欲が追いついないので、今後は競争に負けて投資が進まないファンドが出てきたり、高値で投資はできても、期待通りの利回りが達成できないファンドが増えてきたりして、ファンドの淘汰も進んでいくと思われます。

売り手はファンドだからと言って毛嫌いせずに、現在はファンドから良い条件が出てくる可能性が十分あるので、会社のおかれている状況によっては、ファンドへの譲渡も選択肢に加えるのが良いと思われます。

藤井一郎

21/May.2015 [Thu] 17:08